ペロブスカイト太陽電池を宮坂先生に設置してもらった話
ノウタスは、大阪の高槻市で農園の経営もしています。2024年10月2日にペロブスカイト太陽電池の発明者でノーベル賞候補の、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授がご来園くださり、自ら設備を設置してくださいました。今回導入されたのは、宮坂先生が自ら手掛けた純国産のものです!
ノウタス高槻農園について
まず、高槻農園を簡単にご紹介しましょう。ノウタス高槻農園は、このWebサイトの運営もしているノウタス株式会社の農園で、生食のぶどうを栽培。「もっと楽しく」 「もっと身近に」「もっとおいしく」 「もっと無駄なく」をテーマに、オンラインでも参加できるぶどう狩りや、会員型の農業体験サービス「シェアツリー」など、農業を身近にするさまざまな取り組みを行っています。
また、この農園は農業体験を提供するだけでなく、新品種の研究開発など、新しい技術を導入し、未来の農業の形を探る場でもあります。そんな高槻農園に新たに導入されたのが、「ペロブスカイト太陽電池」という最新の技術です。
宮坂教授との出会いはラジオ番組「村上信五くんと経済クン」
出会いは「村上信五くんと経済クン」(文化放送)のラジオゲストのつながりからでした。宮坂教授にノウタス代表の髙橋からノウタスの取り組みについて説明させていただき、共感いただいたところからお付き合いが始まりました。
ペロブスカイト太陽電池とは?
さて、今回導入された「ペロブスカイト太陽電池」。これがいったい何なのか、少し説明します。名前がちょっと難しそうですが、実はとてもすごい技術です。
まず、みなさんご存知の太陽電池。太陽の光を電気に変えてくれる便利なものです。でも、従来の太陽電池は「シリコン」という素材でできていて、重かったり、大きかったり、設置が難しかったりすることもありました。そこで登場したのが、「ペロブスカイト」という新しい素材を使った太陽電池です。
ペロブスカイト太陽電池は、シリコン型に比べてとても軽くて、柔らかく、さらに、曇りの日でも効率よく発電できるという優れた特徴を持っています。日本のように、天候が変わりやすい場所でも使いやすいのが魅力です。
ペロブスカイト太陽電池が農業にどう役立つの?
では、なぜこのペロブスカイト太陽電池が農業に活用されるのでしょうか?
高槻農園では、最近アライグマなどの鳥獣被害が大きな問題になっていました。せっかく育てたぶどうを動物たちが食べてしまい、収穫がほとんどできなかったのです。そこで、鳥獣対策として監視カメラを設置することにしましたが、農園は広く、電源を確保するのが難しいという課題がありました。
そんな中、ペロブスカイト太陽電池が解決策となりました。軽くて移動が簡単なこの太陽電池を使えば、監視カメラの設置も柔軟に行えます。たとえ電気の通っていない場所でも、太陽の光さえあれば電力を確保できるので、カメラをどこにでも設置できるのです。さらに、曇りの日でも発電できるので、天気に左右される心配が少ないというメリットがあります。
また、太陽電池は一度設置すると動かすのが大変ですが、ペロブスカイト太陽電池なら簡単に移動させることができるため、農園内の被害が多いエリアに柔軟に対応できるのも大きな強みです。
ノウタスと宮坂特任教授は、今回の設置を皮切りに、今後も農業分野におけるペロブスカイト太陽電池の実用化を一緒に進めていく予定です。監視カメラは鳥獣を監視・威嚇するだけでなく、「シェアツリー」の会員が生育状況を見たり、遠隔での作業確認を行なったりするのにも活用。電気柵をペロブスカイト太陽電池で稼働させ、鳥獣被害をさらに防ぐことも計画しています。
ペロブスカイト太陽電池は、これからの農業にとって欠かせない存在になるかもしれませんね!
※設置の様子は日経新聞にも掲載いただきました
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF0234Q0S4A001C2000000
後日談
設置から8日後、ペロブスカイト太陽電池を電源にした世界初(多分)のアライグマの撮影に成功しました!やはり来ていたか。。。
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