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ノウタス高槻農園の1年目のお話 害獣対策編

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こんにちは!ノウタス高槻農園のたまちゃんです。大阪府高槻市にあるノウタス高槻農園で高槻に常駐しぶどう農園を管理しています。前回、11月の記事では、7月に行う作業と、何者かによって荒らされていた農園の様子をお伝えしていました。
今回は、いよいよ収穫が迫る中、まだ見ぬぶどう泥棒への対策、そして農園を荒らしていたのはどんな生きものだったのか、その全貌をお伝えします。

被害状況のおさらい

先月もお見せした通り、かけていた傘と袋が破り落とされ、まだ青かった実も落とされて腐っていました。
特に、農園のぶどうの中で一番早く熟す紅伊豆の被害が深刻でした。次に少し被害があったのが隣のピオーネでした。一方、ピオーネとは反対で隣り合っているシャインマスカットは、他に比べ成熟が遅かったからかこの時はまだ被害がありませんでした。

害獣対策開始・・・

そこで準備したのは、玉ねぎ用のネット。これを袋の上から被せて結び、袋を破られないように対策しました。その結果…

あっさり敗北…………!!

玉ねぎネットごと引きずり下ろされ、無惨にも転がり落ちている袋とぶどう…これには本当に絶望でした。食べられなくても荒らしてやろうという強い意志を感じますね…。
ということで、ネットの付け方を変えます。

←before          after→

引っ張られてしまうのであれば、引っ張れないようにすればいい!
ということで、誘引用に張り巡らせてあるワイヤーに玉ねぎネットの紐をくくりつけることで、引っ張られてもズレない、落ちない仕様に変更しました。この作業も、関大サークルの学生さんたちが手伝いに来てくれ、数日で全てのぶどうの実に玉ねぎネットの設置が完了しました。

対策はした。じゃあ果たして犯人は?

ネットを固定し、ネットについている荷造り紐を切らないとぶどうを取り出すことは不可能になりました。あとはぶどうが色づいて甘くなるのを待つのみ…。しかし、出来うる限りの対策はしたものの、犯人がわからないと意味がない。ということで、高槻市とも連携をとり、まずは外来種の害獣捕獲用の罠を農園内に設置しました。
罠の中にはお皿にキャラメルコーンを入れ、農園内にもいくつか囮としてキャラメルコーンを散布し、犯人が捕まるのを待ちました。そして…

これは!


まごうことなきアライグマ!なんと、地元や関係者の皆様を招待し収穫祭を行う前日に、まさかの捕獲!
可愛い反面、こいつがぶどうを…と思うと手放しで可愛いと言うのも何か違う気がしてしまい複雑な心境に…。私自身動物が大好きで、いわゆるふれあい動物園的なところにもよく行くのですが、農家になってみて、動物の可愛いだけではない側面を今回身に染みて感じました。
実は農園がある高槻市の樫田地区と呼ばれるエリアは、今日本全国で問題になっているクマも目撃情報が上がっています。農園に向かう山道を通る際に鹿の群れに遭遇したこともありますし、農作業の合間に車内で休憩していたら、ウリボー(猪の子ども)とフロントガラス越しの睨めっこになったことも。(突進されなくてよかった…!)
また、近いうちに詳しくお話しようと思いますが、ペロブスカイト実証実験で設置した監視カメラには、アライグマだけでなく在来種であるタヌキも農園の中でごそごそと何かしているのが確認できました。
大阪の、特に北側に詳しい方に「高槻に住んでいます」と言うと、新快速も止まる都会でええところやん!と言っていただくことが多いのですが、農園のあたりは本当に自然いっぱいでたくさんの動物がこの地区には生息しています。今後もこの場所で、来年以降はさらにたくさんのぶどうの木を育て、実らせていくには、この動物たちともうまく付き合っていかなければなりません。
来年は、今年の教訓を生かしながら、鳥獣被害ゼロでの収穫を目指していきたいです!

最後に。
もう2024年も過ぎようとしていますね。
収穫のお話、ここ最近までの作業のお話…農園の話題はまだまだ尽きないのですが、まずは、今年気にかけていただいた全ての皆様に感謝と御礼をお伝えし、2024年最後の私の記事とさせていただけたらと思います!
来年は更においしく、大きく、たくさんのぶどうが収穫できるよう、精進してまいります!皆様ありがとうございました!
それでは、良いお年を!

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