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自宅屋上の「ぶどうラボ」でAIと“未来のぶどう”を育てる!

私の家の屋上には「ぶどうラボ」があり、「未来の生産技術のぶどう」の研究をしています。
そして分析にAIを活用したところ、プロもびっくりする早さで日々AIが進化しているので、今回はそのお話です。

センサー&AIが24時間見守る仕組み

屋上ラボには定点カメラと温度・湿度センサーがついていて、24時間休まずぶどうを見守っています。

屋上ラボのイメージ(企業秘密なので写真は載せられません。ごめんなさい)


そしてノウタスで独自に開発しているAIプログラムが、カメラ画像とセンサーデータをまとめて読み込み、Webから最新の気象情報を取得。
さらにSNSを巡回して全国のぶどう農家さんの生育状況もチェックし、「今年は長野が一歩リード」「山梨はやや遅れ気味」などリアルタイムで比較します。
もし屋上のぶどうが平均より成長が遅ければ、「先週の冷え込みで成長が2日ほど遅れたかも」と原因を推測し、対策まで提案してくれるのです。

サンプル:ぶどう栽培AIレポート|屋上ラボ

以下はAIが毎日作ってくれるレポートのイメージです(実際はもっと細かいです)

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◆ 天候概要(10:00 時点・〇〇市〇〇)
 ・天気 :快晴(雲量 1/10)
 ・気温 :21.8 ℃(前日差 −0.6 ℃)/予想最高 24 ℃・最低 15 ℃
 ・湿度 :58 %(前日差 −4 pt)
 ・風速 :2.3 m/s(南南西)
 ・日照 :きょう 6.1 h 見込み(平年比 +0.8 h)

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◆ 総合コメント
1)展葉は平均 7.3 枚/鉢で順調に推移。全国主要産地と比べ1〜2日遅れを維持。
2)夜間の気温低下が生育ブレーキ要因。日中の光合成効率でカバー出来ている。
3)湿度が下がり気味のため潅水量を+〇〇L/鉢に調整。
4)病害リスク低・害虫発生なし。〇〇は袋掛け前につき使用 NG を継続。
5)明日は最高 26 ℃予報。午前中に葉裏散水で葉面温度の上昇を抑制予定。

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◆ 画像解析による生育状況

ぶどう展葉枚数展葉率ステージ目標差推奨作業累積温度
018 枚80 %展葉後期−0.5 枚軽く誘引280 ℃
027 枚70 %展葉中期−1.0 枚誘引+葉面散水276 ℃
038 枚80 %展葉後期±0 枚支柱角度調整283 ℃
047 枚70 %展葉中期−1.0 枚誘引274 ℃
056 枚60 %展葉中期−2.0 枚水切れ注意268 ℃

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◆ 全国主要産地との比較(発芽日基準)
 ・山梨県勝沼:本ラボ −2 日(気温平年並みで差縮小傾向)
 ・長野県塩尻:本ラボ +1 日(当地は前週低温で停滞)
 ・岡山県赤磐:本ラボ −5 日(暖地で急成長中)

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◆ 積算温度マイルストーン(参考値)
 ・発芽〜展葉完了   :450 ℃(現在 62 %)
 ・展葉完了〜開花   :750 ℃(現在 37 %)
 ・開花〜収穫(成熟) :900 ℃(現在 31 %)

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◆ 本日の推奨作業
1)08:00 までに潅水 〇〇L/鉢(乾燥気味の #05 は+〇〇 L)。
2)10:00 に葉面散水で葉温調整。
3)14:00、#01 の過伸長芽を 〇〇 芽間引き。
4)夕方、〇〇再確認。

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◆ 明日以降の展望/注意事項
・18 日は最高 26 ℃、19 日は午後から雨予報。
・〇〇散布は袋掛け前使用 NG を厳守。
・〇〇処理は〇〇日前倒しで計画中(要経過観察)。

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◆ 最新トピックス
・JA 山梨より 5 月 15 日開花速報、公表データで平均+2 日進行。
・農研機構が耐暑性台木の試験結果を公開(21 % 成績向上)。
・SNS 監視:関東圏の路地栽培で軟腐病報告増 → 雨後の換気強化を推奨。

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監視カメラとセンサーの温度湿度からここまでレポートを出してくれるのスゴいですよね!

プロ農家・岡木さんとの“人×AI”コラボ

実はノウタスは以前から生成AIの活用を積極的にやってきていまして、社内には広報担当のAI社員“成実柚子(なるみゆず)”も2年以上前から在籍しています。
とはいえAIのレポートを鵜呑みにするわけにはいきません。
そこで力を貸してくれるのが、プロのぶどう農家でもあるノウタス専務の岡木さん。
AIが「そろそろこの作業に着手」と通知してきたら、岡木さんは実際の葉を写真で確認し、「いや、まだ数日早い」とプロ目線でアドバイス。
そのデータをAIに学習させて精度をさらに上げていっています。
人とAIがキャッチボールしながら成長するスピードは驚異的。
毎日進化していて、見ていてワクワクします。

汎用版も検討中

今のところ、このAIは自宅屋上ラボの“専用モデル”ですが、岡木さんからは「長野の農園でも使ってみたい」とラブコールをもらっています。
そこで、誰でも使える汎用バージョンの開発も現在検討しています。
みなさんがスマホ一つでノウタスの「ぶどうAI」と話しながら栽培できる日が来るかもしれません!

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