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ノウタス高槻農園の1年目のお話 6月のできごと

農と仕事, 農作業

初めまして!ノウタス高槻農園のたまちゃんです。大阪府高槻市にあるノウタス高槻農園で高槻に常駐しぶどう農園を管理しています。
今シーズンは、たくさんの方々に農園のことを気にかけていただき、ご支援、ご協力をいただきながら、なんとか収穫期を終えることができました。改めて御礼を申し上げるとともに、こちらでは、今年農園で私がどんなことをしていたのか、2〜3回に分けてお話ししていきたいと思います。

農園で初めての作業

関西テレビさんに取材いただいた動画がYouTubeにもありご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、6月初頭にノウタス高槻農園が本格始動しました。そこで私が一番最初に行った作業は……

そう、草刈りです。
ノウタス高槻農園の1年目は、おおよそテニスコート1面分ほどの敷地にぶどうの木が3種類植っていて、残りの敷地は死んでしまった木と支柱が残っているという状況の中でのスタートでした。なので、9月までのトータル作業時間の半分以上が草刈りに充てられています。
作業をするにも、足場が雑草だらけではなかなか作業しづらい、ということで、草刈りを最優先に作業し、草を刈って足場がすっきりしたところから、病気にかかってしまった枝の除去や、消毒作業、長い枝の整理をしていきました。

病気の枝との戦い

実は高槻農園、私が管理させていただきはじめた6月時点ですでに、「黒とう病」という病気にかかった枝がたくさんありました。
こうなってしまった枝は、硬化していない緑の部分の根元からバッサリ切るしかありません。中には立派なぶどうの花が咲きかけているものもありましたが、容赦なく切り捨てていきました。そしてこの黒とう病は、雨を介して他の木に感染を広げていきます。なので、単純に地面に切り落として置いておくと、どんどん他の枝木にうつってしまうのです。
ということで黒とう病が出た枝は、集めて圃場の外へ運び出さなければいけませんでした。

そして、6月中旬に差し掛かる頃には、ぶどうの花が満開を迎え始めます。

房切り、ジベレリン処理1回目

このように、ぶどうの花がふさふさになってきたら満開です。この時期になったら房切り、そしてジベレリン処理という作業をします。

房切りは、画像のように、ぶどうの花を先端3〜4cmほど残して切ってしまう作業です。私もぶどうを作るようになってから初めて知ったんですが、この房全部が果実になるわけじゃないんです!たった3cmほどのこの花が、あのお店に並ぶ大きなぶどうになると思うと植物の成長って本当にすごい!と感動しますよね。
そして、先端に残った花に、ジベレリンという種無しにする薬液をつけて、成長を見守ります。

思わぬアクシデント・・・

と、この辺りで想定外の出来事が起こりました。

当時の私は、10年以上住んでいた東京から移住し、久しぶりに見る大量のシロツメグサに懐かしさを覚えながら、大好きなぶどうを作る作業をするワクワク感と、たくさんの方に期待していただいているという責任感でそれはもう張り切って作業していました。バッテリー式の簡素な刈払機を、腰を曲げながら振って草を刈り、病気で切り落とした枝をかき集め圃場の外へ隔離し、垣根仕立てのぶどうの花一つ一つに腰を曲げ作業をし、とノンストップで動き続けていた結果……

ぎっくり腰になりました。

朝、目が覚めたら起き上がれなくなっていました。
いやなんとなくそんな気はしたんです。腰、痛いな〜…なんて。でも、動けてるし大丈夫大丈夫、なんて思ったが最後。時限爆弾のように知らぬ間に起爆し、朝にはベッドに縫い付けられたように動けなくなってしまいました。
ただ、房切りと1回目のジベレリン処理は全て終えていたのが不幸中の幸いで、なんとか一時的に動き続けた腰をなるべく休ませる時間が作れました。

まだまだ続く繁忙期の作業

本調子ではないものの、1回目のジベレリン処理を終えてから1週間後にまた農園に行くと…

びっくりしますよね!?そう、こんなに大きくなってました。
これは紅伊豆という品種で、高槻農園にある3品種の中でも収穫期が早い品種なので当然成長も早いかつ、ジベレリンはホルモン剤なので成長を促進する作用もあるのですが、農園でこの房を見た時は感動でした。これがもっと大きくなって、赤くなってぶどうになるのか、と、当時の私の期待値も上がる一方。

このタイミングで、摘粒という作業をします。
この作業は、隣り合っているぶどうの実がお互いを潰し合ってしまわないよう、そしてひとつひとつの実にたくさんの栄養がいくように、実を間引いていく作業。すでに立派なぶどうになりかけている実を落としてしまうのは勿体無い…と思ってしまいますが、これもおいしいぶどうを作るための大事な作業です。
とはいえこの、勿体無い…をなるべくなくすのがパープルMの理念。いつかこの摘果したぶどうも活躍できる機会を作れたら…と社員一同色々と考えていますので、今後のパープルMプロジェクトの活動をぜひ楽しみにしていただけると嬉しいです!

摘粒を終えたぶどうの房には、さらにぶどうの実が大きくなるよう2回目のジベレリン処理を行い、あっという間に最初の1ヶ月が過ぎていきました。

これは余談ですが、6月の最後に、ずっと何も書かれていなかった農園のぶどうにプレートをつけました。

ひとまずはホームセンターで買ってきた園芸用プレートに油性マジックで各品種名を記入してワイヤーで吊るしただけなのですが、いつかはカッティングシートなどを使ってきれいに作ったプレートを掲げてあげたいですね…!

次回は7月の農園にあった出来事を綴っていきたいと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました。

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