
日本独自のハーブ!? 杉の新芽を食べてみた話
みなさんこんにちは。編集部・のぶたすです。
ある日Twitterを見たら、こんなツイートが目に入った。
個人的に好きでSNSをフォローさせていただいている「日本草木研究所」さんのツイート。
なんでも杉の新芽を収穫して販売しているとのこと。
杉って、あの杉である。
昔の日本人がよかれと増やしまくった結果、花粉症患者も増やしまくってしまった、あの杉。
木材にするのと、鼻腔をジャックする以外にこんな活用法があったのか!ということで、興味の芽がむくりと発芽した。
さっそくDMを送り、収穫後郵送で届けていただくことになった。
Contents
到着。見た目は…

これが杉の新芽。
封筒を開けると、中から現れたのは鮮やかな緑色の、小さな柔らかい束。
てっきりもっと地味でパサついた「杉っぽさ」を想像していたのだが、
その意外な繊細さは、まるで新茶か、摘みたてのハーブのよう。
これは……想像以上に食べられそうだ。
杉なのに、食べられそうなのである。
とりあえず一つつまんで口に入れてみた。
舌の上にのせ、噛んでみる。
もにょもにょ…心配したような葉っぱ感は全くなく、口の中で柔らかくほどけていく。
そしておだやかに鼻を抜けるさわやかな香り。
木の香りというより、オレガノとか、バジルとか、青リンゴとか、そんな爽やかな風味があり、芯の部分は少し酸っぱい。
これ、このままでも美味しく食べられるやつだ。
杉ってこんな味だったのか…。
調理してみよう
日本草木研究所さんによると、バターに混ぜたり肉料理と合わせるのがいいらしい。

まずはオリーブオイルに香りを移してみる。
香りが強くないので、たっぷり入れて弱火でじっくり香りを出していく。
抽出したオイルを舐めてみると、おだやかだがたしかにあの香りがする。
これはいろんな料理に使えそうだ。隠し味的にあの爽やかな香りを料理にプラスしてくれる。
続いてこのオイルで肉や野菜を焼いてみる。


杉の新芽を味わい尽くすため、杉の新芽とマスタード、バターを合わせたソースも準備。

杉の新芽バターとトーストも用意してみた。
杉まみれディナーの始まりである!
食べていくよ
肉と合うらしい、という事前情報があった通り、豚肉と相性が良い!!
豚肉の脂の甘みに、マスタードのピリッとした刺激、そしてバターのまろやかなコクが絡んだところに、
杉の新芽のほのかな苦みと爽やかな香りが絶妙なアクセントになって飛び込んでくる。
野菜にもたっぷりつけて食べてみると、グリルした野菜の甘みに杉の新芽が意外なほどよく馴染み、
口の中で春の陽だまりのようなフレッシュ感が広がる。
なんだこれ、普通におしゃれビストロとかで出てきそうな味だな?
トーストも食べてみよう。
軽くトーストした食パンに、さっき作った杉の新芽バターを、惜しみなく厚めにぬりぬり。
熱でとろりと溶けたバターの中から小さな新芽がひょっこり顔を出し、ちょっとおしゃれなビジュアルに仕上がった。
サクッとしたパンの食感のあとに、ふわっと広がるバターのまろやかさ。
そのあとを追うようにやってくる杉の新芽の爽やかな香りと、ほんのわずかな酸味。
杉の新芽を入れただけで予想以上に上品な味に仕上がる。
気づけば、不安はどこへやら。杉の新芽、食材として堂々たる可能性を秘めていた。
みなさんもぜひ購入してみてほしい。おすすめです。
ちなみに杉の新芽を知るきっかけをくれた日本草木研究所さんは、日本の植物の食材としての可能性を探るとても興味深い活動をされている団体なので、みなさんにもぜひ知っていただきたいと思う。
https://nihonkusakilab.com/
