
ノウタス代表、きんかんを再び語る 〜コンターレ編〜
みなさんこんにちは。
前回私は「きんかんを大いに語る」というテーマで、きんかんは皮ごと食べられるんだからシャインマスカットのように人気が出てもいいはずだと訴えました。
今回はその仮説が確信に変わったお話をします。
Contents
こん太との出会い
ある休日の夕暮れ、私はふらりと立ち寄った街角のフルーツショップで、「こん太」というきんかんを見つけました。
「こん太?」
興味を惹かれた私は、さっそく数粒買って帰ることに。
家に帰り、いつも通り軽く洗い、普通のきんかんと同じく皮ごとパクリといってみました
・・・衝撃が走りました。
皮が薄い!
そして甘い!
皮が甘いのです。
「え?皮たべたよね?」
私は適度に酸味や苦味のあるきんかんが大好きなのですが、これはもう別のジャンルと言っていいでしょう。
初めてのこん太体験に興奮冷めやらぬ私は、「こん太とは一体何者なのか」を知るべく、すぐさまネットで検索を開始しました。
調べによれば、この「こん太」という品種は1990年に静岡県で近藤さんによって発見されたものだそうです。
(近藤さんだからこん太なのか?)
既存のきんかんの枝から突然変異で生まれたミラクルきんかんとのことで、12年もの歳月を経て2002年に品種登録されたとか。
偶然生まれたこの奇跡のきんかんは、その甘さゆえに農家や研究者の注目を集めました。
2007年に開催された柑橘の新品種試食会では総合1位を獲得しています。
コンターレを求めて
そしてさらに出てきたのは「コンターレ」なる単語。
どうやらこん太という品種の中でも、特に糖度が高く大粒な最上級品が「コンターレ」と呼ばれているらしいのです。
先ほど食べたものが既に十分すぎるほど甘かったのに、その上を行くエリートきんかんが存在するとは…。
これは確かめねばなるまい。
私はいてもたってもいられなくなりました。
幸運にも通販サイトでコンターレを発見しましたが、そこで再び葛藤が生まれます。
お値段、約1kgで4千円オーバー。
なかなかの貫禄ある価格です。
しかし、です。
1kgで4千円ということは…1粒あたり100円くらい?
最近では寿司一皿100円でも食べれない。
高級チョコ一粒200円と比べれば半額。
しかもビタミンも食物繊維も摂取できる!
私は意を決して「購入ボタン」をクリックしたのでした。
注文を終えた瞬間から、私はソワソワが止まりません。
「果報は寝て待て」と言いますが、寝てなんていられません。
胸の高鳴りが抑えられず、発送通知を何度も確認し、当日は玄関前で待ち続けました。
コンターレがやって来る!ヤァヤァヤァ!
ついに念願のコンターレが到着しました。箱を開けると、そこには選び抜かれた精鋭のきんかんたちが整然と並んでいます。
さっそく一粒を手に取り、改めて観察しました。先日店頭で買ったこん太よりも一回り大きい(気がする)。
そしてその肌は驚くほど滑らかです。
調べによると油胞という柑橘にある油を閉じ込めた袋のようなブツブツの組織が非常に細かいために表面が滑らかで、これが渋みの少なさにも繋がっているとか。

肝心の味はどうでしょうか。
期待とともに口に含むと…思わず笑ってしまうほどの甘さです!
酸味はほとんど感じられず、ネットで謳われていた「お菓子のような感覚」という表現に偽りなしです。
コンターレは「柑橘」のパラダイムシフトです。
普通、柑橘類は皮を剥いて中身だけを食べるのが常識ですよね。
しかしきんかんは皮ごと食べる。
それどころか、コンターレの場合「皮こそ主役」と言えるほど皮が甘くておいしい。

世間の評価も極めて高いようです。
「子供がお菓子より欲しがる」といった驚嘆の声や、「もはやきんかんではなく別の果物」といったコメントも見られました。
中には「甘すぎて逆に怪しい。砂糖漬けじゃないのか?」と冗談めかす声もありました。
それほどまでに従来の常識を覆す味だということでしょう。
革命のコンターレ
ここで一つ、コンターレを食べていて感じた小さな葛藤について語らせてください。
それは「種」の存在です。
そう、どんなにコンターレが甘かろうと、きんかんである以上は中に種があるのです。
私は最初のひと粒目を食べ終えたとき、ふと現実に引き戻されました。
甘さに感動して飲み込んだ後、口の中にぽつんと残る種…。
それを舌で転がしながら、「ああ、やっぱり種はいるのね」と妙に冷静になってしまったのです。
もちろん、種そのものは悪ではありません。
コンターレから種が消えたら、その遺伝子は人間が意図して増やさない限り子孫繁栄の望みが断たれた存在になってしまう。
しかし、我々消費者にとって、種はしばしば邪魔者扱いされてしまう悲しい宿命を背負っています。
温州みかんが国民的人気を博したのも、「手で簡単に皮が剥ける」「基本的に種がない」という手軽さゆえでしょう。
またシャインマスカットの爆発的な人気も「種がなく、皮ごと食べられる」からだと思います。
人間とはつくづく快適さを追求する生き物。
実際そのニーズに応えた品種改良も進み、きんかんにも種なしの「ぷちまる」という品種が登場しています。
では、コンターレも将来的には種なしが登場するのでしょうか?
技術的には柑橘はぶどうを種なしにするより難しいようですが、もし実現すれば、甘くて大粒、しかも種なしという究極の食べやすさを備えたきんかんが誕生することになります。
フルーツ界の勢力図が変わるXデーです。
おそらくみなさんもきんかんが食べたくなってきたのではないでしょうか?
きんかんは今が旬です。
ぜひコンターレの甘さにびっくりしてください。
そして一緒にきんかんを語りましょう!