
【プロ農家が教えるぶどう作業!】芽かき〜皮剥き作業、始まりました!
こんにちは。年間6万房以上のぶどうを栽培している農家のひろゆきですです。
5月も半ばを過ぎて、ぶどうの畑にもいよいよ“忙しさの足音”が聞こえてきました。
「ぶどうって、収穫の時期が一番大変なんじゃないの?」と思われがちですが、実は今こそが、本気の手入れが始まる大切な時期なんです!
ということで、今回はぶどう栽培の裏側、「芽かき」と「皮剥き」という作業をご紹介します。
地味だけど超重要。そして、やり始めるとけっこうハマる、そんな作業です。
■ 芽かきとは?~ぶどうの断捨離~

「芽かき」って聞いてもピンとこない方も多いかもしれませんが、簡単に言えばぶどうの“芽の整理整頓”です。
ぶどうの木はとっても元気。春になると、「ここにも!そこにも!」と、遠慮なく芽を出してきます。
でも全部をそのまま育てると…枝がモジャモジャ、風通しが悪くなって、病気の温床に。
人間でいえば「全部の服をタンスに詰め込んだら、湿気でカビが…」みたいな感じです。
そこで登場するのがこの芽かき作業。「この芽は将来、立派な枝になってくれるかな?」と考えながら、必要な芽だけを残して他はさようなら。上の写真の、紫色で囲んだ芽は、さようならします。
そう、これは農家による“ぶどうの断捨離”なんです。
■ 芽かきのタイミングは「今でしょ」
芽かきのコツは、“タイミング命”。
展葉が2〜4枚のころが最適で、うっかり遅れると枝が固くなってしまい、株も「もう手遅れだよ…」とストレスを感じてしまいます。
1本1本の芽をじっくり見て、悩みながらもサッと取る。
まるで美容師さんが髪を切るような…いや、そこまでスタイリッシュではないですが、地味だけどやりがいある手仕事です!
下の写真が芽かき後です。スッキリしました!

■ 次は皮剥き。ぶどうの木もお肌のケアを。
さて、芽かきと並んで大事なのが「皮剥き(かわむき)」。

なんだかワイルドな響きですが、これは幹や枝の表面にある“古い皮”を取り除いてあげる作業です。上の写真には古い皮が残っています。放っておくとその皮の中に、虫たちがこっそり住み着いてしまいます。
「ハダニ」「カイガラムシ」など、ぶどうの天敵たちが「快適〜」と潜んでしまう前に、こちらが先に手を打つ!それが皮剥きです。
まるで“お風呂で垢すり”みたいなイメージですね。
木にだってリフレッシュが必要なんです。
■ 皮剥きのやり方~優しく、でもしっかり~
軍手や専用のブラシで、古い皮を優しく剥いていきます。
この時大切なのは、“やりすぎないこと”。勢い余って本体まで削らないように、木の気持ちになって丁寧に。
剥いたあとは、ほんのり赤みがかった枝肌がのぞき、なんだか木もスッキリした顔に見えるような…。

■ まとめ:ぶどうの手入れは「愛情の先行投資」
収穫の時期は、もちろん華やかでやりがいがあります。
でも、それまでにこうした地道な作業がどれだけ積み重ねられているか。それこそが、おいしいぶどうの“秘密のレシピ”です。
芽かきも皮剥きも、「美味しくな~れ」と唱えながらやると、ちょっとだけ楽しくなってきます。
きっと、ぶどうの木にも伝わっている…はず!
今年も、心をこめて育てたぶどうを皆さまのもとへ届けられるよう、丁寧に手をかけていきます。
また次回は、花穂の整形やジベレリン処理についてもブログでご紹介しますので、どうぞお楽しみに!