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農と仕事

エクストリームランチ

農と仕事

みなさん、「エクストリーム出社」ってご存知でしょうか。

早朝から観光、海水浴、登山、温泉、グルメなどを全力で楽しんでから、定刻までに出社するという、ちょっと変わった出社スタイルです。
ただの朝活ではありません。
目的は、スキルアップでも、自己啓発でも、人脈づくりでもなく、あくまで「出社前に全力で遊ぶこと」。

ルールはシンプル。
遅刻したら失格。
この潔さがいい。

エクストリーム出社は、天谷窓大さんと椎名隆彦さんによって提唱されたものです。
もともとは、天谷さんがストレスから出社拒否になりかけ、出社までの時間つぶしに街をうろついていたところ、それが習慣になっていったというエピソードがきっかけだったそうです。
その話をもとに、椎名さんが「早朝にレジャーを全力で楽しんでから出社する特別な出社」を、エクストリームスポーツとして定義した。
そこから「エクストリーム出社」という言葉が生まれました。

天谷さんは、現在は焼き芋アンバサダーとしても活動されています。
ノウタスのラジオにも度々ご出演いただいていて、先日「エクストリーム出社」について天谷さんとお話をする機会がありました。
提唱者と直接お話できたことは、個人的にもかなり光栄でした。

「エクストリームランチ」

そして実は、私はこのエクストリーム出社にひそかに刺激を受けて、勝手にやっていたことがあります。
それが、「エクストリームランチ」。

いまは自宅や農園で仕事をすることが多く、会社でランチをする機会自体がほとんどなくなってしまいました。
でも会社員時代、私は勝手に自分の中で「エクストリームランチ」を提唱していました。

ルールは簡単です。
1時間のランチ時間で、どこまで遠くに行って、ランチをして、時間内に戻ってこられるか。
ただ、それだけ。
でもこれが、なかなか奥深いのです。

時刻表を調べて、新幹線に乗って行けるところまで行き、立ち食いそばを食べて帰ってくる。
何駅も先のマクドナルドまで行ってハンバーガーを買い、会社の自席に戻ってから、
「これ埼玉までいって買ってきたんだぞ」と心の中で思いながら食べる。
もちろん、誰にも言いません。
でも自分の中では、ものすごく大きな冒険をしている。

昼休みは、たった1時間。
その限られた時間の中で、どこまで行けるか。
どこで食べられるか。
何分の電車に乗れば戻れるか。
駅から会社まで何分で歩けるか。

電車が遅れたら終わり。
行列ができていたら終わり。
注文に手間取ったら終わり。
まさにランチ版エクストリームスポーツです。

電車が出発した瞬間、日常から時間が切り離される感じがします。
平日の昼間。
スーツ姿の人たちが働いている時間。
自分もその一人のはずなのに、なぜか一瞬だけ、旅行者になる。
知らない駅。
知らない商店街。
知らない立ち食いそば屋。
どこにでもあるはずの風景なのに、その時間だけは全部が新鮮に見える。

そして急いで会社に戻る。
エレベーターに乗る。
自席に着く。
パソコンを開く。
周りでは、何事もなかったようにいつもの日常が流れている。
でも自分だけは知っている。
さっきまで、まったく違う場所にいたことを。
その感覚が、なんとも言えず不思議でした。

ほんの1時間なのに、その日1日が少しだけ特別になる。
午後の会議も、いつものメールも、いつもの資料作成も、なぜか少し違って見える。
日常は何も変わっていない。
でも、自分の中の見え方だけが変わっている。

ノウタスがやりたいこともエクストリームランチと同じかもしれない

ノウタスがやっていることも、実はこれに近いのかもしれないと思います。

農業というと、どうしても「農家になる」「畑を持つ」「本格的に始める」というイメージになりがちです。
でも、私たちが考えているのは、もう少し軽やかなことです。

生活の中に、少しだけ農を足してみる。
いつもの仕事の合間に、作物の成長を気にしてみる。
週末に、少しだけ畑に行ってみる。
食べているものの向こう側に、天気や土や人の営みを想像してみる。
それだけで、いつもの日常が少し違って見えてくる。
スーパーでぶどうを見る目が変わる。
雨の日の感じ方が変わる。
誰かが作った野菜を食べる時間が、少しだけ豊かになる。

別に、人生を大きく変えなくてもいい。
会社を辞めて農家になる必要もない。
でも、いつもの生活に農が少し混ざるだけで、見慣れた日常が少しキラキラして見えることがある。

エクストリームランチが、たった1時間で日常を冒険に変えてくれたように。
農もまた、いつもの暮らしを少しだけ冒険に変えてくれるものなのだと思います。
ノウタスが掲げている「人生に農を足す」という言葉は、そういうことなのかもしれません。

遠くに行かなくてもいい。
大きな決断をしなくてもいい。
日常の中に、ほんの少しだけ非日常を混ぜる。

その入り口として、農はとても面白い。
そんなことを、昔のエクストリームランチを思い出しながら考えました。

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