高槻農園で、次の企画の種をまく。
8月30日、高槻農園でシェアツリー会員のみなさんと収穫祭を開きました。
「収穫祭」と書くと、たくさん収穫できたように聞こえますが、今年はなかなか大変でした。
春には700房近くあったぶどうが、うどんこ病の被害で、最終的には100房ちょっとに。
農業は、本当に思ったとおりにはいきません。
それでも、残ったぶどうをみんなで収穫して食べると、やっぱりうれしい。
当日はノウタスオリジナル品種パープルMを共同開発している林ぶどう研究所の林慎悟さんにもお越しいただき、原木から採れたパープルMもシェアツリー会員のみなさんと試食しました。
うまくいったことだけでなく、失敗したことも含めて一緒に農園を見てもらえるのが、シェアツリーのいいところなのかもしれません。
そして今年の高槻農園では、この「うまくいかなかった」が、いくつか次の取り組みにつながりそうです。
Contents
虫よけだけじゃない、フマキラーさん
今回の収穫祭では、フマキラーさんから虫よけスプレーをご協賛いただきました。
とてもありがたい!ありがとうございました!!
フマキラーさんとお話ししていると、虫よけや殺虫剤だけでなく、園芸を楽しむ人を増やすことにも力を入れているそうです。
その取り組みの一つが「AI園芸はかせ カダンくん」。
植物の写真を撮ると、病気や害虫の診断をサポートしてくれます。

今年、うどんこ病でこれだけ苦労した身としては、これはかなり気になる存在です。
農園では、「この葉っぱ、ちょっと変じゃない?」「これは病気なのか、それとも気にしなくていいのか」と迷う場面がよくあります。
もちろんAIだけですべてが解決するわけではありませんが、早く異変に気づくきっかけが増えるだけでも意味がある。
高槻農園でも使ってみたいと思っています。
僕らがシェアツリーでやりたいのも、農や植物に関わる人を増やすこと。
始めてもらうだけでなく、「難しい」「面倒だ」でやめてしまわないようにすることも大事です。
そんなところで、フマキラーさんとはこれから何か一緒にできることがありそうな気がしています!!
農業=雑草との戦い
この日は、九州大学の松元賢教授にも高槻農園に来ていただき、土壌を調べてもらいました。

そこで僕が相談したのが、雑草です。
農業を実際にやってみて感じるのは、とにかく草の管理が大変だということ。
刈っても刈っても、生える、生える、生える!!
ぶどうには、水だ、肥料だ、病気だとあれこれ気を使っているのに、雑草は何もしなくても驚くほど元気です。
草が茂ると作業もしにくくなりますし、風通しが悪くなれば、虫や病気のリスクにもつながります。
そして農地が増えれば増えるほど、この管理負担も大きくなる。
農業は、かなりの部分が雑草との戦いなんじゃないかと思うことがあります。
そこで松元先生に、かなり都合のいいお願いをしてみました。
「雑草は生えにくい。でも、ぶどうの木はちゃんと育つ。そんな魔法みたいな土、つくれたりしませんか?」
先生の答えは、
「理論上はできる」
とのこと。
聞いてみるものです。
これから高槻農園で、いろいろ試してみたいと思っています。
研究者の知見と、園芸の商品をつくる企業の力と、実際に困っている農園。
このあたりがつながると、何か面白いものが生まれるんじゃないかな、と考えています。
ペロブスカイト太陽電池も、きっかけは農園の困りごとでした
こうして振り返ってみると、高槻農園では以前から、困ったことがあるたびに専門家のみなさんに助けてもらっています。
桐蔭横浜大学の宮坂力先生とは、ペロブスカイト太陽電池を農業で活用する実証にも取り組んできました。
2024年には宮坂先生ご自身にも高槻農園に来ていただき、ペロブスカイト太陽電池を設置していただきました。


そもそものきっかけは、鳥獣被害。
アライグマにぶどうをほとんど食べられてしまった農園に設置する監視カメラの電源をどうするか。
「ペロブスカイト太陽電池」と聞くと僕にはかなり高度な研究の話ですが、
「畑の電源がないところでカメラを動かしたい」
となると、一気に身近になります。
僕らに最先端の研究ができるわけではありません。
でも、「農園でこんなことに困っています」と伝えたり、実際の畑で使ってみたりすることはできます。
北海道大学のみなさんとも、ぶどうの新品種について考えるワークショップを行ったことがあります。
品種のこと。
土のこと。
病気や虫のこと。
エネルギーのこと。
ぶどう農園をやりながら、研究テーマは次々に出てきます。
高槻農園を「試してみる場所」に
高槻農園は、ぶどうを育てる場所、シェアツリー会員のみなさんと楽しむ場所に加えて、研究者や企業のみなさんといろいろなことを試す場所にもしていきたいと思っています。
立派な研究施設があるわけではありません。
雨も降るし、虫も来るし、雑草も容赦なく生えてきます。
そして今年のように、700房近くあったぶどうが100房ちょっとになってしまうこともあります。
でも、こんな課題山積の農園だからこそ試せることもあるんじゃないかと思っています。
きれいに条件を整えた場所だけではなく、実際の農業の現場でやってみる。
うまくいったらうれしい。
うまくいかなかったら、それもデータにする。
その先に、農家や園芸を楽しむ人が少し楽になる技術や商品が生まれたら、もっと面白い。
農業、植物、土壌、エネルギー、AIなど、高槻農園で試してみたい研究テーマをお持ちの方がいたら、ぜひノウタスまでご連絡ください。
ぜひ草刈りをしながら!お話しましょう!!