「頼られる人」の法則
先日、「周囲から“頼られる人”は、どんな振る舞いをしていると思いますか?」というお題をいただきました。
最初に聞いたときはすぐには思い当たらなかったのですが、せっかくの機会なので1週間ほど、まわりの方々の振る舞いを意識して観察してみることにしました。
すると、これがなかなか興味深く、普段なんとなく感じていた「相談しやすい人」の共通点が、少しずつ可視化されてきました。
今日はその1週間の観察を通して考えたことを、書いてみたいと思います!
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「話しかけやすいオーラ」とは何か
観察を始めてまず気になったのが、「話しかけやすいオーラ」という表現です。
よく耳にする言葉ですが、その正体をきちんと考えたことはありませんでした。
1週間、誰が誰に相談しているかを意識して眺めていて気づいたのは、そのオーラの正体は「困ったら何でも聞いてね」という受け身の姿勢ではなかった、ということです。
むしろ逆で、その人自身が先に、こちらへ気軽に相談を持ちかけてくれる方だった、というのが共通点でした。
以前一緒に仕事をしていた方がまさにそうでした。
たいした相談でなくても「ちょっと聞いていいですか」「これってどう思います~?」と、軽やかな調子で話しかけてくださる方でした。
相談の中身自体は些細なことも多く、正直これは雑談だよねwと思うようなこともあったのですが、その積み重ねが実は大きな意味を持っていたのだと、今回の観察を通じて改めて実感しました。
「この人とは気軽に話していい関係だ」という空気が自然にできあがり、気づけば自分からもその方に相談しやすくなっていたのです。
相談は「待つ」ものじゃなくて「差し出す」もの
ここで少し立ち止まって考えてみたいのが、「困ったらいつでも相談してね」と言葉で伝えることと、実際に相手が先に自分へ相談してくることの違いです。
似ているようで、この二つはまったく効果が異なると私は思っています。
前者はあくまで受け身の姿勢です。「困ったらいつでもどうぞ」という言葉自体はありがたいものですが、それだけで相談のハードルが下がるかというと、意外とそうでもない気がします。
一方で後者、つまり相手が先に相談を差し出してくれるという行動は、「私たちは対等に話していい間柄です」ということを、言葉ではなく行動で示してくれるシグナルなのだと思います。
これは、人間関係の心理と少し似ているのかもしれません。
誰かに先に頼ってもらうと、こちらも自然とお返しのような感覚で、相手に頼りやすくなる。
相談は、じっと待っているだけではなかなか生まれず、どちらかが先に小さく差し出すことで、初めて双方向のやり取りになっていくものなのだと思います。
つまり「相談しやすさ」は、待つ側の姿勢からではなく、先に一歩踏み出して相談を差し出す側の行動から生まれているのだと、今回の観察を通じて腑に落ちました。
職位が上がるほど、相談する機会は減っていく
このお題を考えている中でもうひとつ、自分自身についての発見がありました。
職位が上がっていくにつれて、下のメンバーから相談される機会は、ありがたいことに増えていきます。
でもその一方で、自分から下の人に相談する機会は、反比例するように減っていくのです。これは意外と見落としがちな落とし穴だと、我が身を振り返って気づきました。
考えてみれば当然のことで、役職が上がるほど「頼られる側」に立つ場面が増えるため、自分がわざわざ誰かに相談を持ちかける必要性そのものが少なくなっていきます。
ただ、この非対称な関係が広がっていくと、知らず知らずのうちに、「話しかけやすいオーラ」が薄れてしまう気がしています。相談される一方で相談しない人というのは、どうしても少し距離のある存在に見えてしまうものだからです。
だからこそ、この1週間の観察を経て、私自身も早速取り入れてみようと決めたのが、あえて自分から「ちょっと壁打ちさせてもらっていい?」と、下のメンバーに声をかけて接点をつくることです。
大げさなことをする必要はなく、ちょっとした資料の方向性や、迷っている企画の切り口など、その程度で十分です。
大事なのは相談の中身の重さではなく、「自分もあなたに頼ることがあります」という姿勢を、こまめに示すことなのだと思います。
自分をあえて頼る側に置いてみる。それだけで、相手にとっても「この人には気軽に話しかけていいんだ」と感じてもらえる、誰でも今日から真似できる習慣になりそうです。
おわりに
「頼られる人」というと、なんとなく気合いや、生まれ持った性格の良さのように語られがちです。
ですが、1週間まわりを観察してみて、実際にはもっと具体的で、誰でも真似できるくらい身近な行動の積み重ねなのだ、ということが見えてきました。
相手から先に相談される関係をつくること。そして、それが難しい立場にあるなら、自分から小さく相談を差し出してみること。
特別なスキルや才能がなくても、今日から真似できる習慣として、まずは身近な誰かに「ちょっと聞いていい?」と声をかけてみるところから始めてみませんか。